悪魔の料理番 ~逆説パラドックス~ 禁断の魔女レシピ

あなたの常識を覆す、暗黒エネルギーの新常識! 悪魔の料理番として命をささげた料理人はりぃが、 世の中に出回るありきたりな教えや道徳的な成功法則を破り、真のダークサイドへと導きます。 しかしその道の先は、地獄ではなく天国であった、、、

誤解されないと人間関係は悪くなる!? ~コミュニケーションの極意~

先日、悪魔の料理を作っている時にちょっとした口げんかになりました。
今日はその一部始終をお伝えします。
 
*6月6日6時 悪魔キッチンにて*
 
私が料理を作っているときにふと出た言葉がある事件を引き起こします、、、
 
私「なんか仕事でもプライベートでもそうですけど、コミュニケーションとか人間関係て難しいですよね~? よく誤解とか生まれていざこざになったりするじゃないですか」
 
このセリフが発端でした。
 
 
悪魔「誤解されないように生きれば生きるほど、お前は不幸になり人間関係が崩壊するであろう」
 
私「え、、、なんで!?意味わかんないこと言わないでください。」
「そもそも逆じゃないんすか?誤解が人間関係を悪くするんじゃないですか?
お互いの誤解がなければ、物事も解決することがたくさんありますよ」
「それについては、自己啓発マニアの私の方が正しいと思います!」

私は珍しく悪魔に反論しました。

これまではなんだかんだ言いくるめられてきた感はあるけど、
今回ばかりは論理的に筋も通っているから、悪魔を説き伏せられるチャンスだ!
 
、、、と意気込んでいた私は、
数分後には「すいません、私が悪うございました」と謝っていました。
 
 
さて、悪魔は何を言ったのでしょうか?
 
常識で考えれば、誤解を生むということは、お互いの意思伝達がうまくいかず、
物事をそれぞれ違った解釈をしてしまい、人間関係がギスギスしてしまうように感じます。
「正しいと思いますよね?ふつう、、、」
 
でも悪魔は“ふつう”じゃないんです。
悪魔って時点でふつうじゃないですし、そもそも悪魔に常識は通用しません。

でも気になるのはなぜ悪魔が
「誤解されないように生きれば生きるほど、お前は不幸になり人間関係が崩壊するであろう」
なんて言葉を発したのかです。
 
ここからがその話の続きです。
 
 
悪魔「おまえはアホか? この世の中でどれだけコミュニケーション能力が高くても、
そもそも自分の事実や思いを正確に伝える事なんて不可能なんだよ」
 
私「いえ、そうは思いません、ちゃんと話し合えば相手に伝わります」
 
悪魔「だから人間はどうしようもない生き物なんだよな、おまえも俺の横にいながらまだそんなふざけた考えをもっているとは残念だよ、まあ期待なんてしてないけど、、」
 
私「期待なんかしなくていいですが、そこまで言うならちゃんと理由を言ってくださいよ」
 
私は半分けんか腰で悪魔に言いました。
もちろん悪魔に勝てる確率は0%です。
 
悪魔「じゃあ、おまえは相手の考えていること感じていることを理解できているのか?」
 
私「100%かはわかりませんが、理解しようとしていますし、特に大事な大切な人のことは8割9割理解しているつもりです。」
 
悪魔「いやいや、そもそもその考えが“おごり”だよ。」
「伝える方は思い込みのフィルターがかかり、聞く方は自分の都合(アンテナ)に合わせて受け取る。だから、常に誤解・誤差が生じるものだ」
 
私「う、、、言っていることはわかりますが、じゃあどうすればいいんですか?理解しようとしなければいいのですか?」
 
悪魔「俺が言っていることはそういうことじゃない。そもそも人間は誤解がないように誤解がないように、注意して恐る恐る会話をしている。しかし、誤解というものは100%起こり得る現象なのだから、それを受け入れろってことだ」
 
私「、、、うーん、、なんかよくわからん、、、」
 
悪魔「だったら、どうしたら伝わりやすくなるのか知りたいか?」
 
私「もちろんです、お願いします!」
 
悪魔「まあ俺は悪魔だけど鬼じゃないからな、そこまでいうなら教えてやろう」
 
私「(心の中で)悪魔の方が鬼より悪党じゃないんかい!というか悪魔の『魔に『鬼って漢字が入っている時点で鬼でもあるんじゃ、、、」
 
悪魔「ん?なんか言ったか?」
 
私「いえ!何も言っていません、思ってもいません!」
 
悪魔「、、、まあいい、ふざけた考えを持ったら、悪魔の料理番から担当外して地獄に落とすからな」
 
私「すいません!」
 
悪魔「よし、まずはだな、、、そもそもの話、誰かに伝える前、もしくは聞く前に大事なことがある。それが何が伝わるかの8割を決めるといってもよい」
 
私「(おそるおそる)それは、、、なんでしょうか?」
 
悪魔「それはお互いの関係性だ。それが8割
 
「さらに、残り2割は、伝える方はどんな想いを乗せるか聞く方はどう受け止めて活かすか。そのような意識で決まるんだよ。だから、誤解は当たり前のようにあるという前提で相手と接することだ。」
 
「誤解しないように、しないように生きていると余計こじれてしまう。そうではなく、その前に相手との関係性をもっと重視しろということだ。世の中の全ては誤解を避けようと行動した結果だ。
戦争することも、騙しあうのも、傷つけあうことも、誤解を生みだすことを避けようとした結果がこれだ。
目の前の出来事にしか見えていない。
もっとするべきことはたくさんあるはずなのに、自分の主張を通して誤解をなくそうとするから、対立するんだよ、わかるか?」

「もうひとつ言っておいてやる。
ポイントは、誤解・誤差がある大前提で
好き勝手に無視意識でしゃべるな。そして、聞いた情報を鵜呑みにするな」
 
 
私「、、、うんうん、、、なるほど、、、」
 
悪魔「つまり、何度も言うが関係性だ。悪い誤解ではなく、良い誤解をされるような人間関係を築いていくことだよ」

私「そうか、そういうことか。なんだかわかった気がします。今まで相手の様子を見て、上手く物事を収まらせようと躍起になっていましたが、そもそも誤解を無くそうとすること自体が意味のない行為だったんですね。」
「誤解、最高!!」
 
 
 
、、、
という流れで、今回も悪魔にまんまとしてやられたのです。
 
 
私「今日も素晴らしい人生の魔女レシピありがとうございました。『誤解=善いこと』なんですね。」
 
でも今日は悪魔にしてはずいぶん良い事言っていたようにも聞こえるが、気のせいかな、、、?
ちらっと横の悪魔を見ると、ゲームをしているようにデスノートに人間の名前を書いて遊んでいる姿があった。
 
私「やっぱり気のせいか、、、」
 
この日を境に、私は誤解を恐れずに行動に移せるようになった。
というより、良い誤解を生むための行動をするようになったという方が正しいかもしれない。
 
ただ、“正しい”なんて言葉を使うと、また悪魔に怒られそうなのでなるべく言葉遣いには気を付けようと思った日であったのである。
 
 
、、、
でも待てよ?
 
じゃあ悪魔と私の間は、果たして良い誤解の関係性でつながっているのだろうか?
それとも悪い誤解でつながっているのだろうか?
 
そんなことを思う私を後目(しりめ)に
ちらっと悪魔を見るが、私達との“誤解”を気にしている様子はみじんもなさそうだった。