悪魔の料理番 ~逆説パラドックス~ 禁断の魔女レシピ

あなたの常識を覆す、暗黒エネルギーの新常識! 悪魔の料理番として命をささげた料理人はりぃが、 世の中に出回るありきたりな教えや道徳的な成功法則を破り、真のダークサイドへと導きます。 しかしその道の先は、地獄ではなく天国であった、、、

恐怖体験「どちらが障害者?どちらが健常者?」

『あなたは障害者をバカにするだろうか?』

「もちろんバカにするよ、だって障害があるんだから、普通の人とは違うんだよ、障害者は私たちのサポート無しでは生きていけないんだよ。彼らができないことを私たちが頑張って補っているんだ」

なんて、面と向かってハッキリ言える人は、
そうとうKY(空気読めない)かマジで性格悪いかどちらかだと思います。
 
 
しかし、
 
「バカになんてしません。障害者であっても一人の人間です。障害者だからといって差別するのは良くないし、同じ目線で、同じように生きる権利があります!」
 
などと、いかにも善人の言いそうな、偽善者っぽいことを言うのもなんだか気が引けます。
 
なぜなら、両者は、全く逆のことを言っているように聞こえて、
裏の意味で実は反対のことを思っているんじゃないか
人は勝手な探りを入れるからです。

「人間はなんて醜(みにく)いんだ」
悪魔は常々、そんなセリフを言います。

さらに悪魔は言います。
 
「そもそも、何で同じ生き物なのに、“障害者”とか“馬鹿”とか“天才”とか“才能がある”とか区別するのかが不思議だ。人間以外を見てみろ。
犬でも猫でもハトでも虫でも、同じ生き物として、
例えば片足がなかったり、歩き方が変だったりして、犬はそいつを差別して接すると思うか?
ハトが『あいつは賢くて天才だから、一生ついていこうとか思うか?」
 
 
確かに悪魔の言う通りです。
 

なぜ人間だけ、差別し合ったり、違いを見せつけたりするのかと言うと、
理由の一つに“言葉”があります。

『障害者』という言葉があるから、障害者という概念が生まれる。
 
『健常者』『病人』『健康』という言葉があるから、その反対の言葉ができる。
 
『悪』と『正義』も同じ。
「私は正しい」と思うから、その逆の「間違っている」が生まれる。

『常識』が正しいと思われているから、『非常識』が良くないと思われる。
 

このように世の中はすべてが表裏一体なのです。
 

障害者の話に戻ると、
「まず人間が、『障害者』というカテゴリーを作ったことがそもそもの過ちだ」
と悪魔は言います。
 
「おかしな話だと思わないか?例えば、もし世の中の99%の人間が、おまえら人間の言う“障害者”だったとしたら、障害者ではないお前は、逆にその世界では“障害者”扱いされるだろう。なぜなら99%の人は障害があることが“当たり前”だと思って生きている世界なら、障害のないお前は“障害のないことが障害だ”と思われるからだ。
 

私「なんだか今日も、頭が混乱する話をしますね。でも、たしかに仰(おっしゃ)るとおりですね」
 
悪魔「今一度、今から言う質問をよーく考えてみろ、
『あなたは目の前の普通の人を障害者と思ったことはあるか?』
『あなたは自分のことを障害者と思ったことはあるか?』
全ての答えはこの質問にある。」
 

、、、
ちょっと想像してみてください。
 

例えば、この世の中でいう“障害者”が、あなたの会社で働いていたとします。
その“障害者”は、仕事は遅いし、物忘れはする、言葉もうまくしゃべれない
しかし、
会社には遅刻しないで必ず毎日来る。
誰よりも早く来て、遅く帰る。
挨拶だけはきちんとする。
 
そんな“障害者”がいたとしよう。

またそれとは逆で、その会社には“健常者”も当然いる。
その一人の健常者は、
仕事は早いし、物覚えも良い
言葉も問題なくしゃべれる
 
しかし、
会社には遅刻し、大した用事でもないのに
傷病手当や有給をうまく使って会社を休む
時間ギリギリに出勤し、周りが必至で働いている中、
仕事が残っていても誰よりも早く時間通りに帰る
挨拶もしない。
 

『この2人をあなたはどう思うだろうか?』

はたして、この場合どちらが障害者で、どちらが健常者なのだろうか?

ビジネスとしては、もしかしたら、後者の方が認められ、正しいことをしているのかもしれない。

しかし私には、この例で言うと
世の中で言うその一人(後者)の“健常者”の方が“障害者”としか思えない。
 
『あなたはこれを聞いて、どのように感じますか?』
 
悪魔に言わせると、「その区別すら愚かだ」と言います。

、、、
でも、
 
、、、
もしかしたら、
 
 
無意識に「障害者だ」と思って、
同じ人間とは違う人間のカテゴリーを作り出している
今の自分自身こそが正真正銘の“障害者”かもしれない。
 

そんなホラーのような結末をもって、今回の話は終わりにします。