悪魔の料理番 ~逆説パラドックス~ 禁断の魔女レシピ

あなたの常識を覆す、暗黒エネルギーの新常識! 悪魔の料理番として命をささげた料理人はりぃが、 世の中に出回るありきたりな教えや道徳的な成功法則を破り、真のダークサイドへと導きます。 しかしその道の先は、地獄ではなく天国であった、、、

苦しみから解放されるたった一つの方法

前回から悪魔の言葉

「世界を平和にしてはいけない。それだけ悪も必要になる。」

が頭から離れなくなってきていたが、

 

『悪』というのは、どちらかというと非日常的だ。

これを読んでいる人は、強盗や人殺しが日常的にある状況ではないと思う。

 

ただ、私達にはもっと身近に『苦しいという感情がある。

 

悪いことをする人や悪人は実際見かけないが、苦しんでいる人は、周りにはたくさんいる。もちろん今すでに悩み苦しんでいる自分もその一人だ。

 

そして、なぜ苦しんでいるのかというと、それも“正しい”“常識”があるからだ。

 

「、、、なんだか最近思考が悪魔よりになってきているような、、、」

という危機感を少し感じつつも、もう逃げられない悪魔の力で抑えられている気もする。すでにこの苦しみの原因を知らずにはいられない自分がいるのである。

 

そこにタイミングよく悪魔が現れた。

 

「わっはっは、言いたいことはわかる。苦しみからのがれたいんだろ?」

簡単な方法があるぞ、教えて欲しいか?

 

 

「はい、ぜひともよろしくお願いいたします。マスター」

と、スターウォーズ2章でアナキンスカイウォーカーがダークサイドに落ちる時みたいなセリフを言ってしまったが、もう心境はだいぶアナキンに近い気がする、、、

 

と思いながらも、悪魔の言葉を聞かずにはいられないのであった。

 

 

悪魔「正しい教えがあるから、苦しみが生まれるんだよ」

 

私「、、、?」

 

まだいまいちつかめていない私に、親切な悪魔は解説してくれました。

 

「例えばな、家の貯金箱からお金をだしたり、駄菓子屋のお菓子を盗んだことはあるか?または、友達の鉛筆とか消しゴムとか勝手に盗ったことがあるか?」

 

私「はい、全部あります。」

私は正直に答えました。

 

悪魔、「まあまあの子悪党だなおまえも、見所あるぞ?それはいいとして、そのとき、お前の心境はどうだった?」

 

私「なんともいえない、罪悪感でいっぱいでした」

 

悪魔「そうだろうな、なぜかっていうとな、お前は小さい頃になんて教えてもらった?

“人のものを摂るのは悪いことだ”と教わっただろ?

盗むという罪悪感に苦しむのは、“盗むのは悪いことだ”と誰かがお前に教え込んだからだろ?苦しみが生まれるのは正しい教えのせいなんだよ。

その証拠に、猫がさざえさんの魚を盗んでも、罪悪感なんてこれっぽちもないはずだ。

それはその猫に、盗むのはわるいと教えたやつがいないからだよ。」

 

私「なるほど」

 

悪魔「親、教師、指導者など、つまり先に正しさを教えたばかりに、その正しさのせいで、おまえは苦しむことになるんだよ。

そして他の誰かが“悪魔が人間を苦しんでいる”と教えてもらったかもしれないが逆だ。

おまえら全てを苦しめているのは、今正しいと思っている奴らが作りだした正しさのせいなんだ。」

 

私「でも、そんなことを言われても、もう出来上がってしまった私の中の“正しさ”はどうすればよいのでしょうか?」

 

悪魔「その罪悪感を消す方法がひとつある。それはな、、、

【疑えばいいだけ】だ。自分を責めるくらいなら、正しさを疑ってみろ。

すると、今まで正しいと思いこんでいたことが、実はそうでもないことに気付いてくるはずだ」

 

私「いや、でもそうはいっても人殺しとかはダメでしょ?」

 

悪魔「人殺しだって、戦争が真っただ中の国では、人を殺しまくった奴が英雄だ。逆に殺さずに呆然と立ち尽くして仲間を見殺しにする方が重罪だ。」

 

私「たしかにそうかもしれませんけど、、」

 

悪魔「人間はな、その時によって都合よく解釈を曲げて、自分たちのやることを“正しい”ことだと信じる傾向がある。人殺しは、大げさな例えかもしれないが、

他には、例えば車を買ったとする。見た目も格好いい車で、色々なオプションも付けて高い金を出して買ったやつがいるだろ?」

 

私「あ、たしかに、この前自慢気に見せびらかしてきたやつがいた!

そうなんだよ、その時言ってやったんだ、『車なんて走ればいいんだ、見た目が良くても燃費わるければただの金食い虫だって言ってやった。」

 

悪魔「そのときのそいつの反応はどうだった?」

 

私「超怒り出して、すぐ車を飛ばして帰っていったよ」

 

悪魔「でもお前も同じことあったよな?」

 

私「え、、、?」

 

悪魔「この前、まったく使えない調理器具を買って、いまだにほとんど使って無いだろ?でもそれにも関わらず、お前は買ったことに対してそれが正しいと思っている」

 

私「それはそうだよ、ちょうどセールで安かったし、その時に買わなかったら、いつ買うんだよって。あの選択は間違っていないよ」

 

悪魔「でも今はもっと安く手に入るぞ」

 

私「うそだ!そうだとしても、あの時に買ったから、操作もわかって料理の幅も広がったんだ。今だったら買おうと思ってなかったかもしれない」

 

悪魔「、、、ほら、おれの言ったとおりだろ?人間は自分のしたことを正当化しようとする。まさに今のお前がそうじゃないか」

 

私「いや、これは、、、」

 

悪魔「それだよ、人間は。みんな疑わないだろ?だから悩みも消えないんだよ」

 

私「、、、(言い返せない、、、)」

 

 

、、、

なぜ人は苦しみ続けるのだろうか?

 

それは今目の前にあるものを疑う事すらしないから、

世の中の常識、今まであなたが学んできた事、当たり前だと思って生きてきた出来事、

全てを否定してしまうようで怖いかもしれない。

 

しかし、もしすべてを疑うことができたなら、、、

 

その時こそ、あなたは全ての苦しみから解放されるのかもしれない。